## 政策金利0.5%を維持、2026年4月から国債買入れ額を四半期ごとに減額幅を縮小日本銀行は、6月17日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を0.5%程度で維持することを全員一致で決定しました。また今回の会合では、月間の長期国債買入れ予定額を2026年1~3月までは、原則として毎四半期4,000億円程度の減額と従来の方針を維持したものの、2026年4月~6月以降は同2,000億円程度と減額のペースを緩め、2027年1~3月における月間買入れ額は2兆円程度とする計画も示しました。景気についてはこれまでと同様に、一部に弱めの動きを認めつつ緩やかに回復していると評価しました。また、物価はこれまでの上昇要因であった輸入物価や米などの食料品価格上昇の影響は減衰して行き、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移するとされています。## 正常化のスタンスは維持も不確実性が高い状況のため政策は都度の状況に応じて柔軟に判断政策金利の据え置きと国債買入れ額の減額は事前の市場予想に沿った内容で、大きなサプライズとはならなかったものの、減額による需給の緩みが意識され長期金利は一時1.48%まで上昇しました。もっとも、声明文内でも減額の見通しは「原則として」と記載があり、金利の急騰時には買入れ額の増額や各種オペによる機動的な対応をとるとされ、市場の安定性を意識した内容となりました。植田総裁による会見では、政策金利は従前のコミュニケーションと同様に、経済・物価が政策委員の見通しに沿って進めば金融緩和の度合いを調整するとし、国債買入れ減額も含め、慎重ながらも金融政策の正常化スタンスを維持する姿勢がうかがえました。一方で利上げの時期や、2027年4月以降の国債買入れ減額幅等、先行きについての言及は従来通り控えられました。現時点でも、前回会合と同様に経済・物価の見通しは下振れリスクのほうが大きいと評価しつつ、関税政策や足元の中東情勢といった不確実性による影響は注意深く点検し、都度の状況に応じて政策判断を実施するとしました。正常化を進めていく方針であるものの、日銀としても不確実性が高いことから動けない状況であると考えられ、今後については経済動向の行方や各種影響が反映されたハードデータの確認がより一層重要になっていくでしょう。
【日銀金融政策決定会合】政策金利は0.5%で据え置き、2026年4月から国債買入れ減額幅は2,000億円に | 日本とアメリカの重要な経済指標を分かりやすく解説 | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア
政策金利0.5%を維持、2026年4月から国債買入れ額を四半期ごとに減額幅を縮小
日本銀行は、6月17日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)を0.5%程度で維持することを全員一致で決定しました。
また今回の会合では、月間の長期国債買入れ予定額を2026年1~3月までは、原則として毎四半期4,000億円程度の減額と従来の方針を維持したものの、2026年4月~6月以降は同2,000億円程度と減額のペースを緩め、2027年1~3月における月間買入れ額は2兆円程度とする計画も示しました。
景気についてはこれまでと同様に、一部に弱めの動きを認めつつ緩やかに回復していると評価しました。また、物価はこれまでの上昇要因であった輸入物価や米などの食料品価格上昇の影響は減衰して行き、「展望レポート」の見通し期間後半には「物価安定の目標」と概ね整合的な水準で推移するとされています。
正常化のスタンスは維持も不確実性が高い状況のため政策は都度の状況に応じて柔軟に判断
政策金利の据え置きと国債買入れ額の減額は事前の市場予想に沿った内容で、大きなサプライズとはならなかったものの、減額による需給の緩みが意識され長期金利は一時1.48%まで上昇しました。もっとも、声明文内でも減額の見通しは「原則として」と記載があり、金利の急騰時には買入れ額の増額や各種オペによる機動的な対応をとるとされ、市場の安定性を意識した内容となりました。
植田総裁による会見では、政策金利は従前のコミュニケーションと同様に、経済・物価が政策委員の見通しに沿って進めば金融緩和の度合いを調整するとし、国債買入れ減額も含め、慎重ながらも金融政策の正常化スタンスを維持する姿勢がうかがえました。一方で利上げの時期や、2027年4月以降の国債買入れ減額幅等、先行きについての言及は従来通り控えられました。
現時点でも、前回会合と同様に経済・物価の見通しは下振れリスクのほうが大きいと評価しつつ、関税政策や足元の中東情勢といった不確実性による影響は注意深く点検し、都度の状況に応じて政策判断を実施するとしました。正常化を進めていく方針であるものの、日銀としても不確実性が高いことから動けない状況であると考えられ、今後については経済動向の行方や各種影響が反映されたハードデータの確認がより一層重要になっていくでしょう。