## 中東の地政学リスクが高まる6月13日金曜日、イスラエルがイランに対して先制ミサイル攻撃を行いました。攻撃対象は核施設や石油精製施設で、イラン国内の施設の多くが破壊されています。これに対してイラン側からの報復攻撃も開始され、連日相互に報復を行っている状況です。これらを受けて原油価格は高騰し、リスクオン資産は急落、地政学リスクが大きく高まったと考えられます。## BTC(ビットコイン)は一段調整リスクあり【図表1】 BTC/JPY 日足チャート出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)BTC/JPY日足チャート分析に入ります。SMA30(黄色)を下回り、下落トレンド転換入りの可能性が出てきました。個人的には目先はSMA200(橙)の水準を意識しており、1400万円台前半まで調整が進む可能性がありそうです。材料としては、イスラエル・イランの情勢悪化はもちろんのこと、更なる別要因で調整が入り、下落することもあると考えられます。一時的な戻りももう一度あると考えますが、そこは売り場となりそうです。2024年のイスラエル・イラン関係悪化時の値動きを参考にすると、一時的な停戦報道が入る場合、その際に大きく戻す可能性もあるでしょう。そこがポジションの売り場になると予想されます。しかしながら、まだ数日間横ばい相場が続く場合、ポジションをこの価格帯で縮小したほうがよいかもしれません。もう少し時間的な猶予があると考えますが、週半ばに差し掛かっても現状の水準で推移する場合はさらなる下落に警戒感を強めたいところです。その場合、押し目はSMA200、またはSMA90(水色)の深いポイントまで待つ必要がありそうです。## 4時間足において、SMA90とSMA200はしっかりと機能【図表2】 BTC/JPY 4時間足チャート出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)BTC/JPY4時間足チャートに時間軸を落とします。SMA200(橙)にきれいに上値を抑え込まれており、この水準をしっかりと抜けないと戻りも限定的となるでしょう。SMA90(水色)も似たようなポイントで重なっていることから、テクニカル的な視点でみると、上値は現状の水準が限界となると考えられます。もう1~3営業日この水準で上値を抑えられ、現状価格で停滞するならば、上昇反転に時間がかかりすぎることになります。よって、それは再びの下落トレンド再開の合図となり、個人的には警戒感を強めます。状況次第では、ポジションを縮小して1400万円台前半からの押し目を待つスタイルを取りたいと思います。## ETH(イーサリアム)はSMA90までの大幅調整待ち【図表3】 ETH/JPY 日足チャート出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)ETH/JPY日足チャートです。ETH/JPYは、3度目のトライで一時的にSMA200(橙)を上抜けましたが、その後反落しました。イスラエルとイラクの緊迫化の影響を受け、上値が急に重くなりました。中東情勢の緊迫化=原油高騰→米ドル上昇(金利上昇)ということもあり、アルトコインにとっても、向かい風です。中東情勢が悪化すると原油価格は一定のレベルで高く維持する傾向があり、CPIも上昇傾向があります。米国の利下げの確度は、遠のいたことでしょう。よって、アルトコインにとっては特に逆風だと考えられます。2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻時にも原油価格が高騰しました。その後、インフレ経済に突入し、時価総額の小さなトークンは軒並み下落し、BTCも一定の下落を余儀なくされました。今回の情勢は、今後マーケットで過去に起こった事象と近似的なことが起こる可能性についても一定の配慮をすべきでしょう。私自身は、BTCは押し目を拾う予定ではある一方、アルトコイン投資は控えめに進めたいと考えています。しっかりした押し目を拾うためにSMA90付近からの買いは選択肢の1つだと考えますが、この水準からようやく打診買い程度に留めたいと思います。総じて、今週は様子見姿勢を強め、上昇したところでは持っているポジションを閉じる方針でいきたいと思います。深い調整を待つ戦略に変更です。
暗号資産、中東情勢の行方によっては更なる調整も | ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)をチャートで学ぶ | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア
中東の地政学リスクが高まる
6月13日金曜日、イスラエルがイランに対して先制ミサイル攻撃を行いました。攻撃対象は核施設や石油精製施設で、イラン国内の施設の多くが破壊されています。これに対してイラン側からの報復攻撃も開始され、連日相互に報復を行っている状況です。
これらを受けて原油価格は高騰し、リスクオン資産は急落、地政学リスクが大きく高まったと考えられます。
BTC(ビットコイン)は一段調整リスクあり
【図表1】 BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)
BTC/JPY日足チャート分析に入ります。SMA30(黄色)を下回り、下落トレンド転換入りの可能性が出てきました。個人的には目先はSMA200(橙)の水準を意識しており、1400万円台前半まで調整が進む可能性がありそうです。材料としては、イスラエル・イランの情勢悪化はもちろんのこと、更なる別要因で調整が入り、下落することもあると考えられます。
一時的な戻りももう一度あると考えますが、そこは売り場となりそうです。2024年のイスラエル・イラン関係悪化時の値動きを参考にすると、一時的な停戦報道が入る場合、その際に大きく戻す可能性もあるでしょう。そこがポジションの売り場になると予想されます。
しかしながら、まだ数日間横ばい相場が続く場合、ポジションをこの価格帯で縮小したほうがよいかもしれません。もう少し時間的な猶予があると考えますが、週半ばに差し掛かっても現状の水準で推移する場合はさらなる下落に警戒感を強めたいところです。その場合、押し目はSMA200、またはSMA90(水色)の深いポイントまで待つ必要がありそうです。
4時間足において、SMA90とSMA200はしっかりと機能
【図表2】 BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)
BTC/JPY4時間足チャートに時間軸を落とします。SMA200(橙)にきれいに上値を抑え込まれており、この水準をしっかりと抜けないと戻りも限定的となるでしょう。SMA90(水色)も似たようなポイントで重なっていることから、テクニカル的な視点でみると、上値は現状の水準が限界となると考えられます。
もう1~3営業日この水準で上値を抑えられ、現状価格で停滞するならば、上昇反転に時間がかかりすぎることになります。よって、それは再びの下落トレンド再開の合図となり、個人的には警戒感を強めます。状況次第では、ポジションを縮小して1400万円台前半からの押し目を待つスタイルを取りたいと思います。
ETH(イーサリアム)はSMA90までの大幅調整待ち
【図表3】 ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)
ETH/JPY日足チャートです。ETH/JPYは、3度目のトライで一時的にSMA200(橙)を上抜けましたが、その後反落しました。イスラエルとイラクの緊迫化の影響を受け、上値が急に重くなりました。中東情勢の緊迫化=原油高騰→米ドル上昇(金利上昇)ということもあり、アルトコインにとっても、向かい風です。
中東情勢が悪化すると原油価格は一定のレベルで高く維持する傾向があり、CPIも上昇傾向があります。米国の利下げの確度は、遠のいたことでしょう。よって、アルトコインにとっては特に逆風だと考えられます。
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻時にも原油価格が高騰しました。その後、インフレ経済に突入し、時価総額の小さなトークンは軒並み下落し、BTCも一定の下落を余儀なくされました。今回の情勢は、今後マーケットで過去に起こった事象と近似的なことが起こる可能性についても一定の配慮をすべきでしょう。
私自身は、BTCは押し目を拾う予定ではある一方、アルトコイン投資は控えめに進めたいと考えています。しっかりした押し目を拾うためにSMA90付近からの買いは選択肢の1つだと考えますが、この水準からようやく打診買い程度に留めたいと思います。総じて、今週は様子見姿勢を強め、上昇したところでは持っているポジションを閉じる方針でいきたいと思います。深い調整を待つ戦略に変更です。