【為替】止まらぬ米ドル売り、6月FOMCの注目点 | 大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

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DXY(ドルインデックス)の下落続く

米ドル売りが止まりません。複数の主要通貨に対する米ドルの総合的な強さを指数化したDXY(ドルインデックス)は6月12日に97.90を割り込み、4月のトランプ関税ショックで米株、米債券、米通貨のトリプル安となった際の安値を割り込んできました。

DXYを構成する通貨は、ユーロ、円、ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフランの6通貨ですが、構成比率は57.6%を占めるユーロが最も多く、日本円が13.6%と続きます。つまり、DXYの下落が続いているということは、ユーロや円が上昇しているということです。

考えられる米ドル売りの背景

米国では、トランプ米大統領の掲げる「大きく美しい1つの法案」=大型減税法案が下院で可決され、上院での審議に入っています。トランプ政権で特別政府職員として政府の歳出削減を担うイーロン・マスク氏はこの法案を痛烈に批判し話題となっています。この法案は今後10年間で連邦歳入を約4兆ドル(約575兆円)押し下げ、同期間に財政赤字は約2兆5000億ドル拡大すると試算されています。米国の財政赤字の拡大への懸念が米資産離れにつながるとの指摘があります。

また、米国の政策金利は現在4.25-4.5%で、2024年9月、11月、12月と0.25%の利下げが3回実施されてからは据え置かれています。トランプ関税の影響が警戒された米国のインフレ率は現在までのところ落ち着いており、6月11日に発表されたCPI(消費者物価指数)は総合、コアインフレ率ともに予想を下回る結果で、トランプ大統領はFRB(米連邦準備制度理事会)に対し利下げ圧力を強めています。

ECB(欧州中央銀行)は2024年6月以降8回の利下げを実施しました。先日6月会合での利下げを最後に利下げ打ち止めの可能性を示唆していますが、米国はまだこれから利下げする余地が十分にあることから、米政策金利引下げがさらなる米ドル売りを誘うとの観測も根強いようです。

6月17~18日FOMCのSEP(経済・金利見通し)に注目

米国のロンガーラン=長期金利見通しは3%です。現在の4.25-4.5%の金利は長期的には3.0%に向かって落ち着いていくとの見通しがFOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーから示されています。2023年まで、ロンガーランの中央値は2.5%に据え置かれていましたが、2024年FOMCの四半期ごとのSEP(経済・金利見通し)でロンガーランが段階的に上方修正され、2024年12月のFOMC会合で3.0%となりました。米国のロンガーランが2023年の2.5%から0.5%も引き上げられたことが、2024年利下げ局面であっても米ドル高となった背景でもありました。

6月17~18日のFOMCでは、新たなSEPが示されます。ボードメンバーらの今後の米経済、金利見通しに変化があれば、それに沿って米ドルが動く可能性があります。ロンガーランが据え置かれれば、現状の米ドル売りの流れは継続すると思われますが、これがもし引き上げられれば米ドル高に反応する可能性もあります。今回のFOMCは利下げ観測もなく無風イベントとなる観測が強いものの、SEPの変化には注意を払っておきたいですね。

内容は参考用であり、勧誘やオファーではありません。 投資、税務、または法律に関するアドバイスは提供されません。 リスク開示の詳細については、免責事項 を参照してください。
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