自由民主党金融調査会(会長・片山さつき参院議員)は6月3日、序文の冒頭で「金融分野において、ブロックチェーン等の新たな技術の健全な利活用を促進するにあたっては、利用者保護とイノベーションの促進のバランスの取れた環境整備を進めていくことが重要である」と、ブロックチェーンに言及した「金融調査会 提言2025」を石破茂総理に提出した。## 分離課税、ETF組成提言は、> > 1.総論 > 2.金融分野におけるイノベーションの推進 > 3.資産運用立国の実現 > 4.地方創生に貢献する地域金融力の強化 > 5.企業会計に関する小委員> > > の5章で構成され、「2.金融分野におけるイノベーションの推進」では、> > 2-1.取引状況や米国の動向等を踏まえた暗号資産を巡る制度のあり方 > ✓暗号資産取引に係る投資家保護の徹底を図り、市場の健全な発展を促す観点から、業法で暗号資産を金融商品と位置づけ、税制・規制の両輪で環境整備を実施> > > として、暗号資産税制の整備の必要性が謳われ、「**取引業者等による税務当局への報告義務を整備し、分離課税の導入を含めた暗号資産取引に係る税制について見直しを検討するべきである**」「**暗号資産ETFの組成を可能とするための検討を税制面も含めて進めるべきである**」と記されている。これらは昨年12月に自民党デジタル社会推進本部・金融調査会が行った「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」を踏まえたものだ。**▶関連記事**:「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」自民党デジタル社会推進本部・金融調査会さらに暗号資産ETFについては、「**関係業界において、暗号資産現物取引と暗号資産ETFに係る税制の見直しのタイミングについて、意見調整が図られる必要がある**」と述べている。関連業界には「グローバルな動きに取り残されないよう、暗号資産ETFを先行させるべき」という意見と「現物市場の成長を阻害しないよう、現物取引の税制見直しと同時に行うべき」との意見があり、業界の統一姿勢を求めたものと言えるだろう。## CBDC、ステーブルコインその他の項目では、「2-3.中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する検討状況」をあげ、「政府・日銀が連携し、欧米の動向を踏まえながら、制度設計の大枠を整理」としている。CBDCは、米国ではトランプ政権の誕生によって、その取り組みは後退し、焦点はステーブルコインに移っている。トランプ一族が支援する企業がステーブルコイン「USD1」を発行しているほどだ。**▶関連記事**:トランプ一家が支援するステーブルコイン「USD1」、複数のブロックチェーンで利用可能に──チェーンリンクのCCIP活用【Consensus 2025】ステーブルコインについては「1-4.その他の論点」で、今年3月に裏付け資産の管理・運用の柔軟化を含む「資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定・国会提出されたことなどに触れつつ、「両法案の早期の成立と円滑な施行に向け、本調査会としてもフォローしていく」と述べている。注目すべきは、それに続けて、金融庁の体制に触れていることだ。「**金融庁は、本提言で掲げる多岐にわたる政策課題への対応を迅速・強力に推進していく必要があるが、同庁における職員総数当たりの管理職ポスト、局や課等の寄稿の数は他省庁に比して少なく、政策推進の体制は不十分と言わざるを得ない**」と記し、「**抜本的な組織拡充**」を求めている。金融庁は4月10日、「暗号資産に関連する制度のあり方等の検証」ディスカッション・ペーパーを公表。5月10日まで広く意見を募集した。**▶関連記事**:暗号資産、2つに分けて規制か──金融庁が「暗号資産に関連する制度のあり方等の検証」ディスカッション・ペーパーを公表1月31日の衆議院予算委員会では、自民党デジタル社会推進本部web3ワーキンググループを主導する塩崎彰久議員の質問に対して、加藤勝信財務大臣が「2025年6月末を目処」に制度の検証を行うと述べており、今回の提言を受けた金融庁の取り組みが注目される。なお、提言は自民党のウェブサイトからダウンロード可能だ。
金融庁の「抜本的な組織拡充」を求める──自民党金融調査会が石破総理に「提言2025」提出 | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
自由民主党金融調査会(会長・片山さつき参院議員)は6月3日、序文の冒頭で「金融分野において、ブロックチェーン等の新たな技術の健全な利活用を促進するにあたっては、利用者保護とイノベーションの促進のバランスの取れた環境整備を進めていくことが重要である」と、ブロックチェーンに言及した「金融調査会 提言2025」を石破茂総理に提出した。
分離課税、ETF組成
提言は、
の5章で構成され、「2.金融分野におけるイノベーションの推進」では、
として、暗号資産税制の整備の必要性が謳われ、「取引業者等による税務当局への報告義務を整備し、分離課税の導入を含めた暗号資産取引に係る税制について見直しを検討するべきである」「暗号資産ETFの組成を可能とするための検討を税制面も含めて進めるべきである」と記されている。
これらは昨年12月に自民党デジタル社会推進本部・金融調査会が行った「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」を踏まえたものだ。
▶関連記事:「暗号資産を国民経済に資する資産とするための緊急提言」自民党デジタル社会推進本部・金融調査会
さらに暗号資産ETFについては、「関係業界において、暗号資産現物取引と暗号資産ETFに係る税制の見直しのタイミングについて、意見調整が図られる必要がある」と述べている。
関連業界には「グローバルな動きに取り残されないよう、暗号資産ETFを先行させるべき」という意見と「現物市場の成長を阻害しないよう、現物取引の税制見直しと同時に行うべき」との意見があり、業界の統一姿勢を求めたものと言えるだろう。
CBDC、ステーブルコイン
その他の項目では、「2-3.中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する検討状況」をあげ、「政府・日銀が連携し、欧米の動向を踏まえながら、制度設計の大枠を整理」としている。
CBDCは、米国ではトランプ政権の誕生によって、その取り組みは後退し、焦点はステーブルコインに移っている。トランプ一族が支援する企業がステーブルコイン「USD1」を発行しているほどだ。
▶関連記事:トランプ一家が支援するステーブルコイン「USD1」、複数のブロックチェーンで利用可能に──チェーンリンクのCCIP活用【Consensus 2025】
ステーブルコインについては「1-4.その他の論点」で、今年3月に裏付け資産の管理・運用の柔軟化を含む「資金決済に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定・国会提出されたことなどに触れつつ、「両法案の早期の成立と円滑な施行に向け、本調査会としてもフォローしていく」と述べている。
注目すべきは、それに続けて、金融庁の体制に触れていることだ。
「金融庁は、本提言で掲げる多岐にわたる政策課題への対応を迅速・強力に推進していく必要があるが、同庁における職員総数当たりの管理職ポスト、局や課等の寄稿の数は他省庁に比して少なく、政策推進の体制は不十分と言わざるを得ない」と記し、「抜本的な組織拡充」を求めている。
金融庁は4月10日、「暗号資産に関連する制度のあり方等の検証」ディスカッション・ペーパーを公表。5月10日まで広く意見を募集した。
▶関連記事:暗号資産、2つに分けて規制か──金融庁が「暗号資産に関連する制度のあり方等の検証」ディスカッション・ペーパーを公表
1月31日の衆議院予算委員会では、自民党デジタル社会推進本部web3ワーキンググループを主導する塩崎彰久議員の質問に対して、加藤勝信財務大臣が「2025年6月末を目処」に制度の検証を行うと述べており、今回の提言を受けた金融庁の取り組みが注目される。
なお、提言は自民党のウェブサイトからダウンロード可能だ。